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写真 © Kenya Chiba
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Villa A

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場所
神奈川県横須賀市, 日本
2023

海景と暮らす

日本のヨット文化発祥の地、葉山。そこからほど近い太平洋を望む場所にVilla Aはある。
私たちは敷地を初めて訪れた際、圧倒的な海の広がりを前に息を呑んだ。そしてその素晴らしい自然環境と関係した、彫刻のようなデザインがここには相応しいと考えた。その象徴が、白い波のように連続するヴォールトの大屋根だ。

敷地は山から続く傾斜地で、南西を向いているが、大屋根はさらに西へ角度を振り、富士山の方向に向けた。建物全体で海を感じ、異なる海の景色を様々に楽しめるような仕掛けを設けた。

まず地下のエントランスホールを海底に見立て、床から浮かぶ巻き貝のような白い螺旋階段で海面に上るイメージとした。階段を上りきると視界が一気に開け、一面に太平洋が広がる。

そして大きなヴォールト屋根が架かる建物を見ると、敷地の高低差に合わせて配置されていることが分かる。これは環境に配慮し、床レベルを傾斜する敷地形状に沿わせ、土の搬出量を減らしたことによる。その結果、内部はエントランスから、リビング、ダイニング、ロフトと高さの異なるいくつもの海を眺めるステージが生まれた。シェフステージとしてデザインされたキッチンもその一つ。床の色は、海の浅瀬をイメージするエメラルドグリーン。ヨットや海を感じるカラースキームでメインフロアをコーディネートした。

見上げるとヴォールト屋根による曲線の影響で面積以上に空間の広がりを感じる。建物の主要構造はRCだが、屋根は7m×900mmのCLTを用いた連続アーチの木構造であり、計画の実現には高い精度の設計と施工技術が必要であった。

そしてリビングの角が開く特殊な大開口サッシを開けると、内外が完全に連続し室内にいることを忘れてしまう。テラスにはインフィニティプール、薪サウナ、アウトドアキッチン、そして外部から容易にアクセスできるジャグジーがあり、家族や仲間とゆったりと過ごすための充実したアメニティを計画した。美しい海とつながり、のびやかに暮らすシーフロントのリゾートヴィラとなっている。

設計チーム:
建築:teamSTAR®︎
クリエイティブディレクター/アーキテクト:佐竹永太郎 (STAR)
メインアーキテクト:奥野幹 (Moo-Flat)
アシスタントデザイナー:簗瀬晃希 (STAR)
マネジメント:山田慎一郎 (Yamada Studio)
協力:江口剛一 (adLb)

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