Foto © Kouichi Torimura
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YMT / sabi

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Sede
千葉県茂原市, Japan
Anno
2013

敷地は、千葉県の九十九里海岸から7kmの場所で、潮風にさらされた赤錆色の建物が続く商店街から一歩入る。
周囲を何度も歩き、塩害に侵されている近隣の建物を見てく中で、この自然現象に抵抗するのではなく「受け入れる」事が、家族が継続的に家を守る自然な行為であると思い始めた。

形状で守る検討を進めながら、素材の耐久性を検討している中で、主要材だけでなく二次部材・三次部材の劣化も考えなければいけない。
そんな中で、コールテン鋼による塩害からの保護の検討を進めたが、シームレスなものを作ろうとすると溶接費で単価が膨らむことから、費用を抑えつつ、二次部材も守れる方法を検討する中で、施工方法、施工工種から見直す事で、現実的なものに近づけていく事とした。

まず、コールテン鋼の1820x910x2.3の規格材を、1820x303に工場で裂き軽量化することで、重機を使わず手運びできるようにした。
次に、スチールの通気胴縁にコールテン鋼をビスで下見張りとすることで、工種を大工工事としている。
結果、ビス等の二次部材は風雨にさらされず、保護されることとなっている。

プラン構成としては、南側には隣地が迫り、周囲の人通りから、プランは外に開くのではなく、大きなコートヤードを設け内側に開いている。
主要室の配置をあえて南側に寝室、北側にLDKとすることで、コートヤードをかえしてLDKに安定して採光を促し、且つプライバシーを確保させることとした。

コートヤードの屋根は大きく開きながらも、梁レベルにターポリンシートが張られてることで、
緩く覆われ、外気を感じられると同時に、風雨や光を程よく遮り、内的要素を拡張することとなっている。
曖昧な外気空間は、サーフボード・シャワー・洗濯機、テーブルセットや植物などが置かれ、外と中のものが入り混じった中間領域。

マッスになりがちなコールテン鋼による仕上げも繊細な表現となり、透過した門扉により、家族の住まう気配は周囲からも感じれ、外部に対し極端な閉鎖感を感じず、周囲とのつながりを確保している。

引き渡した際には、鈍い色をしたコールテン鋼が赤茶色に変化を始めた。
建物は時間の流れとともに協調性を保ちながら街並の景色の一部となっていくだろう。

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